20代の寡黙な青年が見せてくれた優しさ
私がこれまで10年以上続けてきた、不登校や引きこもり支援で関わった人たちのエピソードをご紹介していきます。
今回は寡黙で一緒に近所を散歩して過ごした、10代から不登校をきっかけに引きこもりを数年続けている20代前半青年のエピソードです。
ちなみに不登校・引きこもり経験をした私のプロフィールはこちらで見る事ができます。
Contents
日常の会話はほとんどなし
今回の青年は20代前半で寡黙な青年で、私がお家に訪問支援を2週間置きにしていましたが、何度伺っても私に答える会話は「うん。はい。」とかばかりでした。
ですので、客観的に見たら私が一方的に声をかけてお話ししている感じです。
例えば
私「今日天気がいいね」
青年「・・・うん。」
私「今日はどこに散歩に行こうかね?」
青年「・・・」
私「〇〇方面に行ってみる?」
青年「はい」
といった感じのやりとりです。
そして彼とはいつも私に顔を出して出てきてくれる時の関わる手段は近所の散歩でした。
散歩に行っては私の声かけにうなずく程度で、私もあまり声をかけ過ぎないように気を付けて彼から感じる距離感を保つようにしていました。
そうして、半年、1年と過ぎ、訪問しては散歩をしたり自宅の部屋に籠って顔を出さない事もあったり、部屋から出てきても私から少し離れては会話に参加せず、私と青年のお母さんの会話をじーっと見ている様子でした。
しかし、そんな形で関わり続けると私と青年の間に不思議とお互いの信頼感が生まれたのも思い出されます。
私も彼と訪問する時は散歩がメインなので、散歩を一緒に静かにしては私自身の日頃の疲れも癒されて今となっては良い思い出です。
同じ地球に住む同じ人間なのに、彼の時間はどこかゆっくりでのんびりしているなと、いい意味で人生の豊かさや大切さを逆に教わった気がしました。
そうして彼との訪問を2年以上続けたある日に、自転車を使って近所の散策に出かけました。
青年が見せた優しさ
ゆる~く長い訪問支援でお互いの関係性も良好になり、いつもの散歩に歩きではなく自転車でいつもより遠くにお出かけしようと提案しました。
そうすると彼はその提案に乗ってくれていつもより遠くの場所に向かって2人自転車にのり散策に出かけました。
あ!?そういえば、お母さんがいない時に訪問時に対応してくれたおばあさんの時々作ってくれる、散歩の途中でお昼ご飯に食べてと言ってくれたシャケ弁当が本当に美味しかった思い出がありました!?
おばあさん元気にしているかな?話はそれましたが、私は訪問で出会ったお母さんや家族の方との交流も楽しみの一つで、長く関わっていると家族のような存在になります。
私が子ども食堂の活動をしたりなどのイベントをしている時は、過去に訪問支援で関わった家族を呼ぶときもあり、軽い同窓会みたいな気分が味わえます。
といった感じで、脱線した話はここまでにして話をもとに戻します(汗)
散策もある程度終えて、そろそろ帰ろうかとなって彼の自宅に向かい始めた時に、私の自転車のタイヤがパンクしてしまいました。
突然のアクシデントに私は少し焦り「どうしよう。どうしよう。」となっていました。
そんな私の姿に彼はいつものように寡黙で特に何か話しかける事はありませんでした。
その彼の様子を見て、いつもと変わらないなやっぱりと少し思い始めていた私の目に彼の気になる仕草がありました。
彼をズボンからスマホを取り出して何か見ているようです。
最初は「私がパンクしていたから時間つぶしでスマホをしているのかな」と思っていましたが、近づいてよく見ると彼はスマホで近くの自転車屋さんを探してくれていました。
その姿を見て私はとても優しい気持ちになりました。
彼は彼なりに言葉では上手く伝えれなくても行動で私に対して気遣う優しさを見せてくれたのです。
それを確認した私は「スマホで近くの自転車を探してくれてありがとう」と伝えました。
その後は彼を自宅に送り返した後に自転車を修理して直す事ができました。
今でも彼との思い出に自転車のパンクで見せてくれた優しさが印象に残っています。
この経験で私は「言葉が無くてもコミュニケーションはできる。」と新たな気付きを得る事ができました。
そんな彼に私は心から感謝しその後の不登校ひきこもり支援に役立ててます。
まとめ
今回は20代の青年が見せてくれた優しさのエピソードをご紹介しました。
今彼は完全ひきこもり状態から近所のスーパーなどでバイトを始め介護福祉関係の勉強を始めるまでに変化していきました。
訪問支援が終わってからも時々会いに行って昔話に花を咲かせたりしています。
私の生き方、支援の形はたくさんの人には伝える事ができないけど、でも、私と縁があって繋がった人には一人一人を思いやり大切に長くゆる~く繋がっていっています。
このブログで改めて色んな大切な物を教えてくれた彼に感謝します。本当にありがとう。
このブログを通じて不登校や引きこもりで悩まれてるみなさんの気持ちに寄りそい、陰ながら応援していきたいと思います。
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