不登校で学校に行かない原因はやる気がないだけ?


不登校学校に行かない原因はやる気がないだけ?について、不登校引きこもり経験者が語ります。

最近文部科学省の調査で小中学校による不登校状況についての把握した事実が公表されました。

こちらからその結果を見る事ができます。

⇒令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について

 

この調査の中で出た不登校の要因として「学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった」という理由が、小学校と中学校で1番多く上がりました。

今回は、その1番の要因となっている不登校のやる気について、本人、親、支援者、誰もが、あいまいでイメージが難しいやる気がなくなる理由を、私が経験した事や支援して感じた事を通して、具体的にやる気がでない背景を深堀しやる気がでるように、学校に行けたり元気になる方法を解説していきます。

 

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不登校の原因の多くはやる気が出ないから?

 

 

今回公表された文部科学省の不登校に関する調査結果では、「学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった」が、小中とも3割を占めて1番になっており、次に「生活リズムの不調に関する相談があった」が、こちらも小中ともに2割で2番目になっていました。

この2つだけで、不登校になる要因の半分を占めていました。

 

確かに私は今も昔もやる気があまり出ないタイプの人間であり、日頃から癖が付いたように「やる気がない」と、今でも言っていたりします。

私の性格は、今はどんな人に対しても適当な加減を持って接しており、多分、他人から私を見たら、「良い意味で適当な人」と受け取られたりするかもしれませんし、実際に「その適当が良い」と言われたりします。

そんな私の性格ですが、時々、人から「適当やけど、真面目ですね」とも言われたりして、案外、その指摘が私の性格に合っているように感じました。

 

こんな私のように、不登校になり易いタイプの傾向として、一見適当にしてそうだけど真面目な面も持っていたり、また、真面目な性格の傾向が強い人が、ある日、心のどこかに違和感を感じて、無気力になったりなんとなくやる気が出なかったりするような気がします。

実際に私も不登校になった当時は、なんとなく学校に行けない。行きたくない。が、エネルギーが湧かない。学校に行く力が出ない。といった感覚になり、それが誰かに説明する際に「やる気が出ない」という分かりやすい表現となって出ていると思います。

 

だって、自分を表現する事が苦手で人に自分の気持ちを伝える事に抵抗があったりと、特に思春期で自我が芽生える時期は、具体的な表現でやる気が出ない理由を言うのも難しいと思います。

また、自分の気持ちを考える事が単純に恥ずかしいという気持ちもあると思います。

 

今は支援者として不登校やひきこもりの人達と関わっていますが、その原因を本人や親と考える時に、はっきりとした原因がいつも出るのかといったらそうでもなく、なんとなく学校で友達がいない。ちょっと嫌な出来事が積み重なった。いじめられた。勉強に付いていけなくなった。などの、複数の要因が積み重なっていく段階で、学校に対する意欲の低下が起き、やる気がでないという感覚になっていくのだと思います。

 

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なぜやる気が出ないのかを考えよう

 

 

なぜやる気が出ないのかと考えた時に、先ほど、これまでの学校生活で色んな経験が積み重なって低下していくものだと説明しました。

その他に、家庭環境による事情も絡んでいたりするでしょう。

 

特にこの不登校やひきこもりといった事象は、頭や心で考えたり感じたりして起きる現象でもあったりするので、とても曖昧で改善したり支援するにあたって、色々お話をしたり一緒に過ごしたりしながら、少しずつ時間を掛けながら考えたり行動していくものです。

 

私がこれまで経験し支援してきた中で見えてきた、やる気が出なくなる理由を具体的に上げていきます。

 

勉強に付いていけない。

自分のレベルに合っていない勉強をしている。(特に発達障がいの特性を持っていると起きやすいです)

クラスの雰囲気になじめず日々ストレスを抱えている。

学校の誰かからいじめられたり、過度ないじりで学校が嫌になった。

先生との相性が悪い。信頼関係が無くなった。

そもそも集団生活が苦手だ。(特に発達障がいの特性を持っていると起きやすいです)

生活リズムが不安定。(習い事が多い。部活動。スマホ。ネット。SNS。ゲーム。などで時間に余裕のない生活を送り寝不足や心の余裕が無くなる。)

ストレスが溜まり過ぎて発散する機会や時間がない。(自分が望まない習い事や抱えきれない勉強をするなど、ストレスを溜める容量よりも発散する容量が少ないとストレスやイライラが溜まりやすくなります。)

転校が多く学校やクラスに馴染めない。

学校のイベントが苦手でプレッシャーに感じる。(発表会。運動会。文化祭など)

 

などが挙げられます。

他にも人により色んな要因があると思いますが、これはその中の一例と思って下さい。

 

こういった要素が積み重なったり複雑に絡み合い、学校に行く気力ややる気が自然と低下していきます。

これは決して特別な事ではありません。

子どもだけでなく同じような要素で大人もやる気が低下し社会活動に支障が出ると思います。

私の周りの友人の中に大学までは何とか行けたけど、就職して社会人になってから10年以上ひきこもっていた人もいるぐらいです。

 

このようなやる気の低下の要因を知る事は、これからどうしていったらいいのかを親や支援者もそうですが、当事者の人も適切な環境で行動を起こしていくのに大切な要素になると思います。

 

ただ、あまり執拗に本人に聞きすぎたりしないように注意しましょう。

普段の会話や様子を見て、ある程度、雰囲気で本人がなぜやる気が出ないのか感じ取れるので、無理に聞き出さず日頃の会話や様子から少しずつ知っていくのが理想です。

そうして、「これかな?」と思った時に確認できるのであれば、本人に聞いてみたり、あるいは実際にサポートしてみて本人の反応や様子を見て適切か確認していきましょう。

 

例えば私の場合ですと、不登校で再登校を考えていた時期が中学の頃にありましたが、その時にいきなり教室に入るのではなく、まずは保健室登校から始まりました。

それ以外にも学校の先生が私が遅れて登校しても決して注意せず、温かく見守ってくれていたり、優しく挨拶するなどの声掛けをしてくれました。

私は当時、いきなりクラスに行く事に心理的な抵抗を感じていたので、まずは心理的な負担軽減の為、保健室登校という環境設定をしてくれました。

そして、学校の先生に対する怖いイメージもあったので、先生達の見守りや優しい声掛けは、学校に対する怖いイメージを和らげる事に大きく貢献したと思います。

 

このように、やる気低下の原因を知る事や考える事で具体的な対処ができるので、本人と親と学校の先生や支援者などで考える機会を作るのは改善への一歩となるでしょう。

また近年は学校にスクールソーシャルワーカースクールカウンセラーなどの、学校の不安や悩みに寄り添いサポートする人達も配置されるようになっているので、学校に居る時は頼ってみてもいいかと思います。

私が不登校をした頃にはこのような制度は無かったので、とてもありがたい時代になったなと感じています。

 

下の記事にスクールカウンセラーの役割を紹介している記事を書いているので、気になる方は見てみてください。

⇒不登校のスクールカウンセラーとは?

 

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やる気が出るために必要な事とは?

 

 

やる気が出るために必要な事は、シンプルに本人が学校に行きたい。学校で〇〇したい。という気持ちになるのが理想です。

しかし、誰もがそんな気持ちを持って学校に行ける訳ではないですよね。

なので、学校のやる気が低下する要素をできるだけ取り除きながら、やる気が出る要素を増やしていけると、相対的に学校に行ける気持ちが自然と湧いてきて再び学校に歩める可能性もあります。

 

例えば過去に私が支援で関わった10代の青年でひきこもりをしていた人だと、当時、高校3年の途中まで単位を取りそのまま不登校になっていましたが、訪問支援を繰り返しながら本人とも会い、一緒にゲームなどのたわいもない話をして交流していました。

すると、本人の口から「三村さん。高校の残った単位を取りたいんですが、通信高校とかありますか?」と、話をしてきました。

私は、「福岡市は複数の通信高校があるから、残った単位を取って卒業資格を手にするには丁度いいと思うよ」と返事をし、それから本人の希望に沿った通信高校を探しました。

その彼はその後、通信高校に入学し残った単位も頑張って取る事ができ、卒業後、大学に進学し実家を出て一人暮らしを始めました。

 

そもそも彼の地元が田舎であったため、近所の人達にも知られるような存在でより外に出にくい環境でした。

しかし、市外から市内の通信高校に入学し、ある程度家から離れたところで自分の過去の出来事をあまり知られない環境が通信高校という場所で満たされるようになりました。

 

彼は動き出すまで、数年間家で完全にひきこもっていました。

しかし、私が訪問支援をスタートして9ヶ月目ぐらいに家族とも会話を断絶していた彼が、部屋から出てきて私と会い、たわいもない話から今自分が考えている気持ちを伝えてくれました。

その事がきっかけで、事態は動き不登校からのひきこもりを抜け出せるようになりました。

 

なので、彼の学校へ行く意欲=残った単位を取って高校を卒業したい。

彼の学校へ行きたくない気持ち=自分の過去を知っている人の前にはあまり出たくない。

 

という、両方の気持ちのバランスを取るサポートをした結果、彼は通信高校という方法で再び学校に行く事ができ、残された勉強に励み無事に卒業する事が出来ています。

 

この事例のように、本人からやりたい事の希望があった時に、彼のやる気が低下する環境をなるべく取り除き(彼の場合は自分の過去を知られない環境での復学)、希望にあった環境を提供(彼の場合は通信高校)する事で、再び学校へ行くやる気が出て頑張れたのだと思います。

彼の場合は、数か月間、訪問支援で本人の困り事を事前に親から聞いていたので、地元付近での活動は負担があると考えていました。

もし活動する時は地元から離れた場所でと考えていた時に、本人が通信高校で卒業を目指したいと希望がったので、ある程度離れた通信高校を提案し学校に行けるようになりました。

 

このように、学校へ行くやる気を出す為に、本人との自然なコミュニケーションと様子を見ながらやる気の低下の要因を探り、やる気が出る要素を増やせるようにサポートしていきましょう。

 

また、当事者の方は、家族、先生、友達、支援者など、もし自分の困り事やしたい事がある場合は、遠慮せずに言えるといいですね。

ただ、言える人は限られていると思うので、この人だったら言えるなと思える人がいた場合、ちょっと勇気を振り絞って伝える事ができると、自分の力で状況を変えるきっかけになったりしますよ。

 

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まとめ

 

不登校学校に行かない原因はやる気がないだけ?について、不登校引きこもり経験者が語りました。

学校に行かない大きな原因と報告されたやる気がないですが、そのやる気がない中身を考えると、本人の困り事が見え隠れしていると思います。

親の方は、最近うちの子どもが学校に疲れているなと感じたら、少し意識して見守ったりコミュニケーションを取ってみるものありだと思います。

最低限、親が子に「あなたの事を気にかけているよ。何か困り事があったら味方になるよ」という気持ちが伝わればいいので、親が心配だからという気持ちだけで距離を詰めすぎないように気を付けましょう。

 

当事者の方は、学校に疲れたりやる気が出ない時は、親に伝えれるのであれば、「〇〇が少しきつい。〇〇の用事、習い事を減らしたい」といった、不安や困り事を相談してみましょう。

もし、親に伝えれない時は、学校の先生やカウンセラーなど他にも気持ちを伝えれる人がいるので、自分の生活と心と体の安定の為にも、誰かに伝えるという方法があるという事を知って頂けたらと思います。

他にも全国に電話やメールなどの手段で相談できる方法など、色んな相談機関をまとめた記事も紹介しているので、よかったらどんな相談機関があるのかをチェックしてみて下さいね。

⇒全国の不登校・引きこもり相談機関をまとめました!

 

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